日銀、今月軸に利上げ検討=政策金利1%へ、景気見極め最終判断―植田総裁「是非しっかりと議論」



日銀が今月15、16両日に開く次回の金融政策決定会合を軸に、政策金利を現在の0.75%から1%に引き上げる追加利上げを検討する方針であることが3日、明らかになった。中東情勢が一段と混乱するリスクは後退しているものの、原油価格が高止まりしてインフレが加速する懸念が根強いことが背景。サプライチェーン(供給網)の寸断などで、景気が悪化する恐れがないか見極めた上で最終判断する。

植田和男総裁は同日夕、東京都内で講演し、景気の不透明感がある中でも2%の物価安定目標の実現に向け、「利上げの是非をしっかりと議論する必要がある」と語った。実際に利上げを決めれば昨年12月会合以来、4会合ぶり。原油輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上の封鎖が続いているが、日銀幹部は「航行が正常化しなくとも利上げすることは可能だ」と指摘。封鎖が続いていても、石油関連製品の供給が途絶える恐れがなければ、利上げに踏み切る考えを示している。

植田氏は講演で、当面の金融政策運営について「経済の下振れを意識しつつも、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、経済に悪影響を及ぼすことを、より警戒する必要がある」と述べた。また、「これまでの利上げで金融・経済活動は抑制されておらず、むしろ、緩和的な金融環境が経済をサポートしている」と指摘。その上で「必要な対応が遅れ、後で大幅な利上げを余儀なくされれば、景気や金融市場に大きな負荷をかける恐れがある」と語り、政策運営が後手に回ることへの懸念を強調した。

政府は、混乱する中東情勢に対応するための2026年度補正予算案を同日、国会に提出した。高市早苗首相は金融緩和を志向しているとされ、利上げを巡っては政権の理解を得られるかも焦点となる。首相は同日の参院本会議で、「金融政策の具体的な手法については、政府の補正予算編成の有無にかかわらず、日銀に委ねられるべきだと考えている」と語り、利上げをけん制しなかった。最終的に政府が利上げを容認すれば、日銀は今月の会合で政策変更に踏み切る公算が大きい。

【時事通信社】

2026年06月04日 08時03分

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