鈴木彩艶、花開いた才能=転機となった決断―W杯サッカー



サッカー日本代表のGK鈴木彩艶(23)=パルマ=は、20歳の時にサッカー人生を左右する岐路に立った。早くからその才能を期待され、J1浦和レッズと史上最年少の16歳でプロ契約。ところが、トップチーム昇格後は出場機会を得られない時期が続いた。

2023年夏。ベルギー1部リーグのシントトロイデンへ移籍を決断する。日本で控えに甘んじている立場ながら、本場の欧州は早くから熱い視線を送っていた。さらに驚きだったのは、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドから届いた、もう一つのオファー。世界的な名門も、恵まれた体格と身体能力、さらに将来性を高く評価していた。

しかし、断った。GKは実戦経験が物を言うポジション。出番の保証がないことは分かっていた。浦和の下部組織で鈴木を指導した工藤輝央さん=現WEリーグ三菱重工浦和スポーツダイレクター=は、「目標がしっかりしているから、決断に至ったんだろう。先を見る力はすごい」。

ベルギーで定位置をつかむと、活躍を重ねた。評価をどんどん高め、24年夏に伝統的な堅守が根付くイタリアへ。日本のGKとして初めて欧州五大リーグで不動のレギュラーとなった。

日本代表としては、年代別代表で戦うパリ五輪ではなく、A代表のW杯のピッチを目指していた。五輪への招集に制限がかかる海外クラブへの移籍も、その覚悟の表れだった。8強にとどまった24年のアジア・カップでのプレーで批判を浴びた後も、森保一監督に我慢強く起用され、目標を実現した。

海を渡る決断が転機となり、才能が花開いた。「すべてが、今の自分の成長につながっている。順調に進んできていると思っている」。自らの道について考え、選んできたからこその言葉だろう。

工藤さんには、小学生時代から「プレミアで将来プレーしたい」と語っていたという。スウェーデン戦では終盤の好セーブで貢献。W杯での活躍次第では、夢の舞台に立つ可能性も広がるはずだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕前半、ゴールを守るGK鈴木彩(中央)=25日、米ダラス

2026年06月26日 12時34分


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