
「夢の舞台」だったというサッカーのワールドカップ(W杯)に初出場を果たした日本代表のDF鈴木淳之介選手(22)。幼少期の指導者は「教えたことはすぐに形にできた」と逸材ぶりを語る。小学校1年の時には既に、左右どちらの足でもフットサルコート中央からクロスバーにボールを当てることができたという。
「別格の素材だった」。元Jリーガー青井健さん(48)は愛知県江南市のサッカークラブで、幼稚園から小6まで鈴木選手の成長を見守った。ボールの蹴り方や受け方、ドリブルの姿勢まで、教えたことはすぐにプレーで再現。体の使い方もきれいで、「教えがいがあった」と懐かしむ。
技術習得の早さは、プロ入り後も変わらなかった。高校卒業後に入団した湘南ベルマーレで中盤からDFへポジションを変更直後、鈴木選手が試合中の動きなどについて、「マジで分からない」と悩みを明かしたことがあった。現役時代DFだった青井さんが助言すると、次の試合で早くも自分のものにしていたといい、「やっぱりこいつはすごい」と改めて感じたという。
性格は静かで口数は多くない。昨年5月、代表メンバーに初選出された際は、自身のプレーや性格が監督に消極的と判断され、すぐにチームから外されるのではないかと気にしていた。
2カ月後、湘南ベルマーレからデンマークのチームへの移籍を発表。これに先立ち、「周りに置いていかれたくない。海外に出ないといけない」と青井さんに連絡があった。代表に入ったことによる意識の変化と成長への強い覚悟を感じた。
鈴木選手はW杯で2試合に出場。敗退が決まったブラジル戦は、後半途中から35分間ピッチに立った。試合翌日、「純粋に本当に悔しい」と心境を語り、「スタートから出られるよう、しっかりやっていきたい」と4年後を見据えた。
青井さんはこの試合を自宅で観戦していた。「試合終了の笛でピッチに立ち尽くした経験は、糧になる。まだまだこれからの選手。今後の成長につなげて代表の中心になってもらいたい」と期待を寄せている。
【時事通信社】
〔写真説明〕決勝トーナメント1回戦・ブラジル戦から一夜明け、取材に応じる日本代表の鈴木淳之介選手=6月30日、米ヒューストン
〔写真説明〕湘南ベルマーレ時代の鈴木淳之介選手(左)と青井健さん(F.C.DIVINEのインスタグラムより)
〔写真説明〕ブラジル戦の後半、相手のパスをカットする鈴木淳之介選手(右)=6月29日、米ヒューストン
〔写真説明〕ブラジル戦の後半、ラヤン(左)のクロスに足を伸ばす鈴木淳之介選手=6月29日、米ヒューストン
2026年07月02日 07時20分