
防衛省が公表した2026年版防衛白書は「新しい戦い方」として、人工知能(AI)の軍事利用に焦点を当てた。攻撃目標選定など意思決定を迅速化させるAIシステムを取り上げ、重視していることをにじませた。
政府が年末に改定する安全保障関連3文書にも、自衛隊の指揮統制システムへのAI活用が盛り込まれる見通しだ。
白書は巻頭特集で「『意思決定の優越』の確保」と題し、情報通信分野で大量のデータをリアルタイムでやりとりし、AIなどを活用して処理・分析を行えるようになっていると指摘した。
活用により「指揮官が相手よりも早く正確に意思決定を行えるようになり、『意思決定の優越』が確保された守り方が可能になる」と強調した。防衛省・自衛隊もドローンやAIを活用し必要な情報を適切なタイミングで処理・分析できるシステム構築に取り組んでいると説明した。
「新しい戦い方をめぐる動向」の章で各国の事例を紹介。戦闘空間の大量のデータをAIシステムで分析、攻撃目標を特定するとされる米国の「メーブン・スマート・システム(MSS)」を取り上げた。北大西洋条約機構(NATO)が25年4月に取得契約に合意したことに触れた。米メディアによると、MSSは対イラン攻撃で使われた。
イスラエルに関しては、パレスチナ武装勢力との衝突で使用しているとされるAIシステム「ラベンダー」と「ゴスペル」を掲載。パレスチナ自治区ガザ市民のスマートフォンの通話アプリデータを解析し、スマホの持ち主とイスラム組織ハマスとの関係性の評価、物理攻撃目標の選定と優先順位付けの支援に使用された可能性に言及した。
【時事通信社】
〔写真説明〕巻頭特集の一つ「『意思決定の優越』の確保」と題するページ。防衛省によると、画像は生成AI(人工知能)を使用して作成された(2026年版防衛白書ビジュアル版より)
2026年08月05日 07時02分