
日本政府は、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による24日の首脳会談を受け、情報収集と分析に全力を挙げた。高市早苗首相は速やかにトランプ氏と電話し、会談内容について直接報告を受ける方向で調整している。トランプ氏が第2次世界大戦で米中が「同盟国」(allies)だったと発言したことに、日本政府からは困惑の声が漏れた。
首相は25日、「同盟国」発言について「第三国間のやりとりで、その逐一にコメントすることはない」と語った。習氏が「中米両国は協力して日本軍国主義と戦った」と述べたことを念頭に、「日米は戦争はあったが和解を果たして関係を深め、今は非常に強い絆で結ばれた同盟国としてお互いに信頼し合える関係だ」とけん制した。首相官邸で記者団の取材に応じた。
同盟国発言について「トランプ流のリップサービス」(外務省関係者)との見方があり、別の同省関係者は「連合軍(連合国)という意味の方が正しい」と指摘。一方、日本政府関係者は「心地よい発言ではない」と認めた。
トランプ氏はかねて米中両国を「G2」と呼び、西半球重視の「ドンロー主義」を掲げている。日本の頭越しに米中接近があるのではとの懸念があった。対イラン軍事作戦に起因する物価高でトランプ氏の支持率が下落傾向にある中、11月の米中間選挙をにらみ、台湾問題などで中国側の主張を一定程度受け入れるのではないかとの警戒感も高まっていた。
首相が米中首脳会談の直前の22日に米ニューヨークでトランプ氏と会談し、対中認識の共有を図ったのは、安易な譲歩に応じないようくぎを刺すためだった。官邸関係者は「首相から『台湾問題などで中国の言いなりにならないようにしてほしい』という話をした」と明かし、首相周辺は「台湾問題について日米は完全に擦り合わせができた」と強調した。
現時点で伝えられる米中首脳会談の内容には、日本政府内では冷静な受け止めが大勢だ。政府関係者は「サプライズはなさそうだ」と指摘。外務省関係者も「5月の米中会談と中身は変わっていない」と解説した。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=25日、東京・永田町
2026年09月26日 07時09分