中国、輸出違反摘発が前年超え=レアアース規制、日本に影―高市首相台湾答弁1年



【北京時事】高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁から11月7日で1年。日中関係が冷え込む中、中国は輸出管理違反の取り締まりを強化している。今年上半期に公表された行政処分は既に昨年の実績を上回り、過去最多のペースで推移する。年初から日本向けのレアアース(希土類)など軍民両用品目の供給も制限。中国東北部・大連では日系企業の社員が逮捕される事件も起き、安全保障政策を巡る緊張が企業活動に影を落としている。

レアアース生産量で世界最大の中国は昨年4月、通商摩擦を背景に輸出規制を強めた。中国大手法律事務所の中倫によると、税関が公表した輸出管理違反の行政処分は昨年に急増。さらに今年上半期は少なくとも373件と、昨年通年の317件を超え、2024年の約4倍に達した。戦略鉱物関連が全体の約6割、うちレアアースは4割強を占めた。

厳格な取り締まりは日本企業にも及んだ。今年6月に大連で、レアアース関連製品の輸出を巡り富士電機グループの日本人社員2人が逮捕され、外国人社員に刑事捜査が及ぶ異例の事例として注目を集めた。

摘発は「日本のほか台湾や米国にも厳しい」(中倫)というが、戦略鉱物の対日輸出量は米欧向けに比べ「一部品目で落ち込みが際立つ」(日本政府)。完成品のレアアース永久磁石は今年1~9月に前年同期比4%減にとどまる一方、半導体製造装置に使う酸化イットリウムは98%減。電気自動車(EV)磁石原料の酸化ジスプロシウムや酸化テルビウムは、輸出が途絶えている。

こうした供給制約の改善を探る動きも出ている。9月末には自民党の岩屋毅前外相(日本国際貿易促進協会会長)が何立峰中国副首相と北京で会談。また、「中国の地方の行政対応に変化の兆し」(商社)も見られるという。ただ、摘発急増への警戒は根強い。高市政権は年内に防衛費のさらなる増額を含む安全保障関連3文書を改定する方針で、中国側の新たな対抗措置も懸念される。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の中川裕茂弁護士は「特に防衛装備品事業を行う企業は注視が必要」と警告する。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国・江西省に建設中のレアアース工業団地=2025年11月(AFP時事)

2026年10月26日 20時35分


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