
福田康夫元首相の死去を受け、政界で関係の深かった関係者から26日、惜しむ声が相次いだ。福田氏が官房長官として支えた小泉純一郎元首相は「福田氏がいたからこそ」と謝意を表明。「大連立」を目指した小沢一郎元民主党代表は当時の秘話を明かし、福田氏の人柄をたたえた。
福田氏は森喜朗内閣に続き、小泉政権でも3年ほど官房長官を務めた。小泉氏は談話を出し、「約5年半も政権を担えたのは福田氏の存在なしに語れない。外交や内政の重要課題に注力できた」と振り返った。
小沢氏は民主党代表時代の2007年、首相(自民党総裁)の福田氏と両党の大連立を模索した。東京都内で記者団の取材に応じ、「僕の主張に本気で対応してくれた。真摯(しんし)な態度で感激し、今でも感銘深く思い出している」としのんだ。
大連立構想は07年11月に両氏の会談で合意寸前までいったが、民主内の反対で頓挫した。小沢氏は、福田氏に「もう一度考えてみますから、また会ってください」と言われたエピソードを紹介。政権の重要ポストを分け合う協議もしたとし、「あの時連立を組んでいたら、その後の日本政治の在り方は変わっていたと今でも思う」と語った。
福田氏は首相在任時、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」に苦しんだ。福田政権で自民国対委員長を務めた大島理森元衆院議長も談話を発表。「十分役割を果たせたかは汗顔の至りだが、福田氏の泰然とした姿に学ぶことがあった」と悼んだ。
福田内閣では、海上自衛隊のインド洋での給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法が衆院の再可決により成立した。防衛相だった石破茂前首相は記者団に「細かい指示、配慮をいただいた」と語った。
福田氏が力を注いだ消費者庁設置の準備に消費者行政担当相として携わった岸田文雄元首相は、「消費者庁新設の礎をつくった経験は、私の政治家人生の大きな財産だ」とする談話を出した。
【時事通信社】
〔写真説明〕秘書時代、衆院議員の森喜朗氏(右)、小泉純一郎氏(左)と訪中した福田康夫さん(福田事務所提供)
〔写真説明〕記者団の取材に応じる小沢一郎前衆院議員=26日午後、東京都港区
〔写真説明〕衆院本会議で首相に選出された福田康夫自民党総裁=2007年9月25日、国会内
〔写真説明〕民主党の小沢一郎代表(左)と党首会談に臨む福田康夫首相=2007年11月2日、国会内
2026年10月26日 20時21分