
高市早苗首相が先進7カ国(G7)首脳のテレビ会議を欠席したことに、野党が追及を強めている。首相と外務省の説明が曖昧なことに加え、会議直前に首相公邸で開催された麻生太郎副総裁ら自民党幹部との会食が欠席理由との疑念がある。簗和生・前農林水産相に続く攻撃材料にする狙いもありそうだ。
「首相や茂木敏充外相の答弁に矛盾がある。どちらが真実なのか」。立憲民主党の辻元清美氏は10月27日の参院外交防衛委員会で、政府側にこう迫った。
テレビ会議はトランプ米政権が欧州に軽油の備蓄を放出するよう圧力をかけたのを受けて、今年の議長国フランスが主導。日本時間10月2日午後9時半から開かれ、遠藤和也外務審議官が代理で出席した。英国のバーナム首相も欠席した。
高市首相は同16日の参院予算委で辻元氏に問われ、「議題が米欧間の問題なので代理でよしという話を(外務省から)受けた」と釈明。「かなり大きなディスプレーを使う」「回線の接続のために業者を呼ばなければならないが、もう間に合わない時間だった」などと準備も理由だったと答えた。
一方、茂木氏は外交防衛委で「数分、1回きりの発言」になると想定されたため代理にしたと強調。ディスプレーについては「官邸の問題まで承知していない」とかわした。準備が間に合わなかったのが事実なら、日本が国際紛争の当事者となった場合にも同様の事態が起こり得る。
辻元氏は、会議直前に開かれた自民幹部との会食も追及。中西祐介官房副長官は首相が飲酒したかどうか「承知していない」と明言しなかった。だが、ある会合出席者は取材に「首相もアルコールを口にしていた」と認めた。辻元氏はこの会合が欠席の理由ではないかとただしたが、茂木氏は「全く事実に反している」と反論した。
首相らの姿勢に対し、野党は「怒りを覚える」(岡本三成公明党代表)「まともに説明すべきだ」(田村智子共産党委員長)と批判が根強い。自民内からも「さらに追及を受けるだろう」(重鎮)と懸念が漏れる。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=2日、東京・永田町
2026年11月04日 07時03分