
国民民主党は、衆院選挙制度の見直しを巡る自民党案の受け入れを、「穏健な多党制による連立政権」(玉木雄一郎代表)の実現に向けた布石としたい考えだ。比例代表について(1)「統一名簿方式」を導入する(2)議席配分方式を「修正サンラグ式」に変更する―ことが、中小政党にとって有利に働くと判断。ただ、見返りに比例定数の31減を容認したことで、野党間の亀裂は拡大している。
統一名簿方式は、異なる政党による比例名簿の一本化が可能。修正サンラグ式も、現行の「ドント式」に比べて中小政党が議席を得やすくなる。国民民主の古川元久代表代行は10月28日、自民案への賛成を決定後の記者会見で「二大政党を志向する現行制度が、多党化を前提としたルールに変わる」と意義を強調した。
国民民主は、2029年までを「政権準備期間」と位置付けるが、現状は衆参両院で計53議席にとどまる。党幹部は「多党制が政権獲得の前提だ。二大政党制で政権は取れない」と指摘。今回の制度見直しが、政権戦略の「一里塚」になるとの認識を示す。
統一名簿方式は、国民民主がかねて主張してきたものだ。これを取り入れることで、国民民主側に将来の連立入りを促す自民側の思惑も透ける。実際、党幹部からは早くも「自・国の選挙調整に使える」との声が漏れる。
先の特別国会では、与党が比例45減の法案を提出し、審議を強行。議席減の影響が大きい野党各党はそろって成立阻止に動いた。
しかし、与党と国民民主は今国会に比例31減の法案を提出し、成立を図る方針。これに対し、民主改革の会の落合貴之政調会長は「国会の緊張感がなくなる」と懸念。共産党の田村智子委員長は「横暴と戦うつもりがあるのか」と批判する。
国民民主側は強気の構えだ。榛葉賀津也幹事長は10月30日の記者会見で「野党チームに立っているつもりはない」と言い切った。
【時事通信社】
〔写真説明〕国民民主党の執行役員会に臨む玉木雄一郎代表(中央)、古川元久代表代行(右)、浜口誠政調会長=2日、国会内
2026年11月04日 07時04分