
米中間選挙で対イラン軍事作戦を批判してきた民主党が上下両院を奪還し、原油価格は下落した。ただ、事態の収束は依然として見通せない。日本政府は財政負担を懸念してガソリン補助金の縮小を決断。家計や企業に負担がのしかかる。
米国のバンス副大統領は4日、SNSで共和党敗北の理由が対イラン攻撃にあると表明。原油先物市場で戦闘終結に向けた期待が広がり、10月下旬に1バレル=100ドル台だった米国産標準油種WTIは一時、90ドルを割り込んだ。
しかし、軍事衝突以前の60ドル台後半には程遠い。イランが選挙結果を受けて強硬姿勢を維持すれば、交渉は停滞し、価格が高止まりしかねない。
野村証券の高島雄貴エコノミストは、米イランが合意にこぎ着けて原油価格が下落しても、当面は船舶による輸送費の高止まりが続くと指摘。「輸入価格はゆっくり下がるイメージだ」との見方を示した。
政府は原油高の長期化を受け、ガソリン補助金を縮小する方向にかじを切った。3月以降、レギュラーガソリンの店頭価格を全国平均で1リットル当たり170円程度と欧米各国以下の水準に抑え込んできたが、12月に175円に修正。その後も月5円のペースで引き上げる方針だ。
10月末までに支払った補助額は約1.5兆円に達し、財政支出の膨張に歯止めをかけるのが狙い。ただ、食品など生活必需品の「値上げラッシュ」が家計を圧迫しており、政府は来年1月以降の引き上げを正式に決められずにいる。経済産業省幹部は「物価高に打つ手が限られる中で、国内の反応をどう捉えるかだ」と世論の動向を注視している。
【時事通信社】
〔写真説明〕ガソリンスタンドで車に給油する人=10月30日、米ロサンゼルス(AFP時事)
2026年11月07日 08時07分