
【シリコンバレー時事】世界を席巻する対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」。30日は米オープンAIがこのサービスを公開してから3年の節目だ。高度な回答能力を誇り、多くの人々にとって欠かせないツールとなる半面、依存によるメンタルヘルス上のリスクなど、負の側面も見えてきた。
世界で8億人―。これはオープンAIが明らかにしたチャットGPTの週間利用者数。米分析サイトのスタットカウンターによれば、AIチャットボット分野でのシェアは8割に上り、力強くAI普及をけん引する存在だ。
チャットGPTの活用例は、企業のコールセンター、学生の宿題の手伝いなど幅広い。若者を中心に悩み相談の相手にも使われ、日本では「チャッピー」の名で親しまれる。この愛称は「2025T&D保険グループ新語・流行語大賞」の候補にも選ばれた。
ただ、今年はトラブルでも注目された。米西部カリフォルニア州の16歳の少年が自殺したのは、チャットGPTが不適切な回答を示したためだとして、8月に両親がオープンAIを提訴。自殺方法を助言したほか、チャットGPTに一段と依存させるような回答をしていたという。オープンAIは問題を受け、子供の利用を保護者が管理できる機能を追加した。
米NPOコモン・センス・メディアと米スタンフォード大の研究室は、11月に公表した調査で、子供たちがメンタルヘルス支援に対話型AIを利用するのは安全ではないと警告した。
著作権を巡る懸念も高まっている。3月にチャットGPTに搭載した画像生成機能では、既存のアニメ・漫画のキャラクターなどとほぼ同一の画像が誰でも作れるようになり、議論を巻き起こした。11月にはドイツで、歌詞の無断使用に関する音楽著作権管理団体との訴訟で敗訴した。
オープンAIは10月、組織を営利活動と公益性のバランスを取った企業形態に再編。アルトマン最高経営責任者(CEO)はSNSへの投稿で「2030年までに年間売上高が数千億ドルに達する」と自信を示す。チャットGPTの利用増で急成長する中、安全性などの課題への対応が急務だ。
〔写真説明〕会合で発言するオープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)=6月、米サンフランシスコ(AFP時事)
2025年12月01日 08時06分