
アサヒビールは10日、11月の酒類などの売上金額が概算で前年同月比2割強減少したと発表した。減少幅は10月(1割弱)から拡大した。同社は、9月末に親会社でサイバー攻撃によるシステム障害が発生したことで出荷が滞っており、歳暮品も出荷制限に追い込まれたことが響いた。
アサヒを除くビール大手3社は同日、11月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の販売実績を公表した。業界関係者の推計では、3社合計の販売数量は7%減少で、このうちビールは5%減少した。出荷日が前年同月と比べ少ないことが影響した。発泡酒は9%減、第三のビールも9%減だった。「4月に大手4社が実施した値上げにより買い控えが続いている」(同)という。
会社別では、数量ベースで公表するサッポロビールは12%減少。前年にビール限定品を発売した反動が出た。サントリーは6%減だった。金額ベースで公表するキリンビールは1%の増加で、新商品や期間限定品が寄与した。
〔写真説明〕アサヒグループホールディングスの社旗(AFP時事)
2025年12月10日 13時23分