「賃上げ税制」、大企業除外へ=中小向けは維持―政府・与党



政府・与党は10日、従業員の給与を引き上げた企業の法人税負担を軽減する「賃上げ促進税制」の対象から大企業を除外する方向で調整に入った。経営体力のある大企業では賃上げが定着し、政策効果が薄れていると判断した。一方、賃上げ余力の乏しい中小企業向けは維持する。月内に決定予定の2026年度税制改正大綱に反映させることを目指す。

賃上げ促進税制は、従業員の給与総額を増やした企業の法人税額を一部控除する仕組み。大企業と中堅企業は給与総額を前年度比3%以上引き上げることが適用条件だ。

13年の導入時、大企業の多くは賃上げに消極的だったが、近年は物価高や人手不足を受けて徐々に姿勢を転換。春闘では24、25年と2年連続で5%以上の賃上げが実現している。さらに同税制に対しては、大企業の適用条件が「3%以上」と緩く、支援が過剰との批判も出ていた。

一方、中堅企業は「3%以上」となっている適用条件の引き上げなどを検討する。価格転嫁が進まず、防衛的な賃上げを迫られている中小企業への優遇措置は継続する。

〔写真説明〕東京・新宿の高層ビル街=2020年1月(AFP時事)

2025年12月10日 19時44分


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