ノンバンク巡る懸念拡大=「リーマン前と類似」指摘も―米



【ニューヨーク時事】米国で「プライベートクレジット」と呼ばれるノンバンク融資への懸念が高まっている。投資会社がファンドなどの形で募った資金を企業に貸し出し、出資者に高利回りの運用を約束するものだが、融資の質を巡る不安が台頭。2008年のリーマン・ショック前の状況との類似性を指摘する声もある。

融資先は中堅・中小企業で、リスクに伴い運用利回りが高い。リーマン・ショック以降、銀行が規制強化を受け高リスク融資を控える中で急成長した。市場規模は世界で約2兆ドル(約320兆円)に上るとされ、その大半を米国が占める。

問題の発端は、昨秋の米自動車関連企業2社の相次ぐ経営破綻。担保の使い回しなど不正が疑われ、プライベートクレジット市場からも資金調達していた。当時、米金融界のご意見番、金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者が悪質な融資先を「ゴキブリ」に例えて「1匹いたらもっといる」と語り、波紋が広がった。

さらに、今年は人工知能(AI)の一層の発展により、ソフトウエア企業のサービスがAIに代替されるとの悲観論が浮上。これまで有望視されていたソフトウエア業界への融資が多いプライベートクレジット・ファンドに不安が飛び火して解約請求が急増し、混乱に拍車が掛かっている。

現状、専門家らは金融システム全体の問題に発展するとはみていない。ただ市場では、ファンド解約の混乱がリーマン・ショック前の状況と似ているとして、「(危機を知らせる)『炭鉱のカナリア』のような局面か?」と警戒する声もある。ニューヨークの日系金融機関の関係者は「実態をつかみにくいことに不安を覚える」と話している。

〔写真説明〕経営破綻した米リーマン・ブラザーズの本社ビル=2008年9月15日、ニューヨーク(AFP時事)

2026年04月20日 21時02分


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