自動車部品大手デンソーが半導体大手ロームへの買収提案を取り下げたことで、パワー半導体を巡る業界再編はローム、東芝、三菱電機の3社による事業統合協議に焦点が移る。ただ、出資比率など「各論」で折り合えるかは不透明。デンソーも買収とは異なる形で関与する可能性もある。
パワー半導体は電力制御に使われる。ロームと東芝は車載向け、三菱電機は産業機械向けに強みを持ち、3社が一体となれば商品開発で相乗効果が見込めるほか、重なる生産拠点の統廃合でコストダウンも期待できる見通しだ。
だが、かねて業界再編の必要性が叫ばれつつ進まなかったのは、「総論賛成、各論反対」(政府関係者)という各社の事情。新たな事業体への出資比率や誰が主導するのかなど、一筋縄ではいかない課題が多い。今回、3社を協議に踏み切らせたきっかけがデンソーからの買収提案だっただけに、撤回されたことで協議の進行に影響が及ぶ可能性もある。
3社は夏までに協議にめどを付けたい考え。一方、デンソーはロームと生産などで協業を続ける方針で、3社連合との連携にも関心を示す。三菱電機の漆間啓社長は28日の決算説明会で、「まずは3社がまとまらないと」としつつ、「さらに会社が出てくれるようであれば受け入れることもあるかもしれない」と指摘。最終的な「日本連合」の形はまだ見えない。
2026年04月29日 07時11分
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