
塩焼き、みそ煮などで人気のサバの供給に異変が起きている。日本で大量に消費されてきたノルウェー産が、大西洋での資源悪化により流通量が大幅に減っており、代替魚として同国産ニシンへの注目が高まっている。
在日ノルウェー大使館水産部によると、昨年1年間に日本へ送られた同国産のサバは、中国やベトナムで加工された分も含め8万トン以上。日本でサバは20万トン以上漁獲されたが、小型で脂が少なく、食用の比率は低い。
人気のノルウェー産だが、近年、大西洋の資源が悪化。今年の同国の漁獲枠は、約7万9000トンで前年に比べ半減し、価格は高騰している。日本産の需要も高まりそうだが、「高くてもノルウェー産を仕入れている」というスーパーや飲食店が多い。
当面、ノルウェー産のサバは品薄が予想されるため、水産商社のニチモウ(東京)は、大西洋で資源が安定しているニシンに着目。年間30万トンほどの漁獲が見込めるほか、「10~11月にノルウェーで水揚げされるニシンは、日本産よりも脂が乗っていておいしい」(同社)と話す。
三枚に下ろしても小骨が気になるが、「ベトナムの加工場で骨切りの技術を磨き、食べやすくした」と同社。今年、約1000トンのニシンを原料に、塩分を加えて熟成させた「塩ニシン」の大量出荷を目指すといい、既に首都圏のスーパーで販売が始まっている。
在日ノルウェー大使館の関係者は、「ニシンはサバと並んでノルウェーにとって重要な天然の水産資源。エイコサペンタエン酸(EPA)やオメガ3系脂肪酸やビタミンDなど、体に良い成分が豊富なため、たくさん食べてほしい」とPRしている。
〔写真説明〕大西洋で漁獲されたノルウェー産のサバ(在日ノルウェー大使館水産部提供)
〔写真説明〕ノルウェー産を原料に加工した「塩ニシン」(上)。下は調理済みのニシン=4月26日、東京都中野区
2026年05月02日 14時32分