3本柱で「インド太平洋」進化=供給網・ルール・安保―対中連携図る・高市首相演説



【ハノイ時事】高市早苗首相は2日、ベトナム国家大学ハノイ校で演説を行った。日本の外交指針である「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の進化へ、安全保障に加えサプライチェーン(供給網)強化と経済秩序維持に向けたルール共有の3本柱で協力を深めると表明。経済的、軍事的威圧を強める中国への対抗を念頭に、域内各国へ経済安保を軸とした連携を呼び掛けた。

首相は故安倍晋三元首相が10年前にFOIPを提唱したと言及。法の支配や市場経済の重要性をうたったことの「妥当性は揺らがない」としつつ、「国際秩序の構造的な変化」に適応する必要があると指摘した。「自律した強靱(きょうじん)な国々が協力し、それぞれの平和と繁栄の基盤となる自由で開かれたインド太平洋を創っていく」と宣言した。

首相は、重点分野として(1)エネルギー・重要物資の供給網強靱化(2)官民一体での経済基盤の共創とルール共有(3)安保分野の連携拡充―の3点を提示。先に表明したエネルギー支援枠組み「パワー・アジア」を例に挙げ、日本が主体的に役割を果たすと約束した。

中国がレアアース(希土類)などの輸出を規制していることを踏まえ、特定国に対する重要物資の依存を避けるため、公平な競争条件の確保や「市場歪曲(わいきょく)的慣行、経済的威圧への対応」を呼び掛けた。アジアの多様な言語・文化を反映した人工知能(AI)の共同開発、海底ケーブルを含む通信インフラ整備を支援する「FOIPデジタル回廊構想」も打ち出した。

「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」に関し、フィリピン、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)といった戦略的に重要な国の加入手続き開始を急ぐ方針も示した。

安保面では、シーレーン(海上交通路)における自由な航行確保の重要性を強調。「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の対象国や事業規模を拡大するほか、港湾・空港の整備、海上保安能力強化への支援を拡充すると明らかにした。

FOIPを巡っては、2023年に当時の岸田文雄首相がインドで演説し、新たな行動計画を発表。気候変動や保健、インフラ部門の支援を掲げた。

【時事通信社】

2026年05月02日 17時53分

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