
国際経済学が専門の浦田秀次郎早稲田大学名誉教授がインタビューに応じた。米国と中国が世界貿易機関(WTO)ルールに反するような貿易政策を展開する中、日本はアジア太平洋地域の先進的な自由貿易協定である「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」と、欧州連合(EU)を結び付ける「協力の推進役を期待されている」との認識を示した。
浦田氏は米中が保護主義的な政策を講じる中、CPTPPとEUの対話強化で「(新興・途上国の)グローバルサウスも一緒になり、対抗できる塊を作る必要がある」と強調。日本がこの動きを先導することが重要だと述べた。
浦田氏は、中国の世界経済での影響力拡大やコロナ禍の際の供給混乱を経て、各国は特定の国へ過度に経済的に依存することへのリスクを認識し、経済安全保障を重視するようになったと指摘。中東情勢の悪化で、供給網多角化の「重要性が増したのは明らかだ」と述べた。
一方、米国と中国、ロシアなどの政治的対立による分断は続いており、「世界では多極化が進む」ことから、国境を越えてモノやサービスが自由に移動する多角的自由貿易体制では対処しきれないとの見方も示した。資源に乏しい日本は、経済安保上重要な製品を「同志国間での限定的な貿易枠組み」で調達するのが有効な手だてだとした。
〔写真説明〕浦田秀次郎氏
早稲田大学名誉教授(本人提供)
2026年05月03日 07時03分