
【ニューヨーク時事】米イスラエルによる対イラン軍事作戦開始後、米国でガソリン価格が高騰し、市民の間に不満が募っている。このまま高止まりが続けば、11月の中間選挙でトランプ政権に逆風となるのは必至だ。
全米自動車協会(AAA)によると、レギュラーガソリンの小売価格の全米平均は4月30日時点で1ガロン(約3.8リットル)当たり4.30ドル(約680円)と、2月末の軍事作戦開始前の水準から1ドル超上昇。戦闘終結に向けた米イランによる協議の先行きが不透明な中、約4年ぶりの高値となっている。
自動車が主要な交通手段である米国では、ガソリン価格が4ドルを超えると不満が強まるとされる。ニューヨーク中心部マンハッタンのガソリンスタンドを訪れたタクシー運転手の男性(37)は「週に80ドルほど多く支払わないといけなくなった」と嘆く。「自分の仕事にも米経済にも良くない。早く戦争が終わり、値下がりしてほしい」と話した。
ガソリン価格は特に西海岸で高く、ワシントン州では5.57ドルに達する。同州シアトルの病院職員ロク・トランさん(40)は「ガソリン代や航空運賃が上昇したので、親族の卒業式に出席する旅行計画を取りやめた。気ままに運転することができなくなった」と訴えた。景気悪化を警戒し、節約に努めているという。
米国は世界最大の産油国だが、原油の国際価格急騰に伴い、国内でもガソリンや軽油の価格が上昇。輸送コストの増加は、食料品などさまざまな商品価格を押し上げかねない。ロイター通信などが4月下旬に実施した世論調査では、物価高への対応でトランプ大統領を支持したのはわずか21%。与党共和党の支持層でも51%にとどまり、不満の広がりが浮き彫りとなった。
前回2024年の大統領選では、バイデン前政権下の高インフレを批判し、物価の押し下げを公約に掲げたトランプ氏が勝利を収めた。
米イランが戦闘終結で合意しても、被害を受けた湾岸諸国の生産施設の復旧やホルムズ海峡の通航量の回復は、すぐには進まない可能性もある。オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ピアース氏は、ガソリン価格が少なくとも今後1年は高止まりする恐れがあると予測した。
〔写真説明〕米ニューヨーク中心部マンハッタンのガソリンスタンド=1日
2026年05月03日 07時03分