「企業価値担保権」スタートへ=将来性で融資可能に、新興後押し―金融界



企業の将来性を基に金融機関が融資できる「企業価値担保権」制度が始まる。不動産のような有形資産を持たない企業やスタートアップ(新興企業)の資金調達を容易にし、成長を後押しするのが狙い。融資する金融機関は、財務情報に過度に頼らない「目利き力」が試されることになる。

企業価値担保権について定めた事業性融資推進法が25日、施行される。現状では、企業が融資を受ける際には、土地や工場を担保とするか、経営者個人が連帯保証人となる「経営者保証」が一般的。こうした有形資産が乏しい企業は融資を受けにくい。

しかし、企業のノウハウや顧客基盤といった無形資産を含む企業価値全体を担保にできるようにすれば、将来性に基づいた融資を促すことができる。スタートアップに加え、経営者保証が事業承継の妨げとなっていた中小企業などでの利用を見込んでいる。

制度のスタートを控え、銀行業界は準備を急いでいる。全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は「技術力や知的財産、人的資本、販路といった無形資産も含めた事業性評価(の能力)を磨き、金融仲介の質を高めたい」と強調。全国地方銀行協会の片岡達也会長(横浜銀行頭取)も「活用事例についての勉強会を開催するなど、協会として(加盟行を)引き続きサポートしていきたい」と語っている。

ただ、リスク管理が難しくなることもあり、現時点では金融界の様子見ムードも根強い。ある銀行の首脳は「どういう世界になるのか分からない。結局は銀行間で情報交換しながら探り合うことになるだろう」と打ち明けた。金融庁幹部は「日本の前近代的な融資慣行を変えていきたい」と意気込むが、制度の利用がどこまで広がるかは未知数だ。

2026年05月04日 12時30分

administration


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