
【サマルカンド(ウズベキスタン)時事】アジア開発銀行(ADB)年次総会など3日からウズベキスタンで行われた一連の会議で日本は、中東情勢悪化に伴う原油不足や価格高騰に苦しむアジア諸国への支援策を全面的にアピールした。地域で影響力を高める中国への対抗も念頭に、経済安全保障で同志国連携の拡大に腐心した形だ。今後は支援の早期具体化が焦点となる。
「日本はアジアに広く供給網が広がっている。アジアを助けることはわが身を助けるのと同じだ」。片山さつき財務相は4日夜の記者会見で支援の意義を強調した。
3日に現地入りした片山氏は、アジア諸国の原油や石油製品調達を手助けするため政府が先月打ち出した総額100億ドル(約1.6兆円)規模の金融支援策を各国に説明。4日にはADBと共同で、加盟国の中小企業の資金繰りや、中長期的なエネルギー構造転換を支援する枠組みも発表した。
日本が物資調達の多くを依存するアジアの供給網の強靱(きょうじん)化を主導し、日本の経済安保の確保につなげる狙いだ。同時期にベトナムとオーストラリアを訪問し、両国首脳とエネルギー安保の連携強化などで合意した高市早苗首相と歩調を合わせた動きとなった。政府関係者によると、既に需要・供給国の双方から関心を示す声が上がっているという。
さらに片山氏が力を入れたのが中央アジア諸国との資源外交だ。ウズベキスタン首脳や、産油国のアゼルバイジャンの閣僚らと相次いで会談。中東に依存する原油や中国に頼る重要鉱物の代替調達への協力を呼び掛け、前向きな回答が得られたという。
ただ、中東での紛争長期化の懸念が強まる中、エネルギー危機回避への有効打となるかは予断を許さない。特に供給網強化に向けたインフラなどの整備は長期間を要する。また、中央アジアの資源権益獲得では、先行する中国との争奪戦を制する必要もある。
〔写真説明〕記者会見する片山さつき財務相=4日、ウズベキスタン・サマルカンド
2026年05月06日 12時28分