日豪「準同盟」を強化=経済安保協力に力点



【キャンベラ時事】日豪両首脳は4日の会談で、「準同盟」関係を強化する方針で一致した。強大な軍事力と経済力を背景にアジア太平洋地域で影響力を強める中国に対し、共通の同盟国である米国を加えた「日米豪」の枠組みで対応する狙いがある。経済安全保障の協力強化に力点を置き、「戦略的指針」となる共同宣言を発表した。

「日豪の次なる50年の歩みは、これまでの50年よりもさらに力強く、推進力のあるものになる」。高市早苗首相は会談後の共同記者発表で、今年が日豪友好協力基本条約署名から50周年に当たることに触れ、決意を語った。アルバニージー首相も「両国は平和で安定した繁栄する地域という共通の利益を促進するために緊密に協力している」と強調した。

中国の台頭をにらみ、日豪両政府はこれまで、自衛隊と豪軍で燃料や弾薬を融通するための物品役務相互提供協定(ACSA)や、部隊の往来を容易にする円滑化協定(RAA)を相次ぎ締結。防衛協力を拡大してきた。

2022年の岸田文雄首相(当時)の訪豪時には、今後10年間の安保協力の「羅針盤」となる「安全保障協力に関する共同宣言」を発表。昨年は豪政府が海上自衛隊護衛艦「もがみ型」改良型の導入を決定するなど、日豪関係はかつてない速度で緊密化している。

高市首相は4日の共同記者発表で「日豪は同志国連携のフロントランナーだ」と自賛。日本政府関係者は「豪州はこの地域で安保の考え方が最も近い国だ」と評価した。

今回の会談は経済・エネルギー安保を重視した。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制や「米国第一主義」を掲げるトランプ米政権が国際経済を揺さぶっていることが、日豪の結束強化を後押しした。

特に、米・イスラエルのイラン攻撃に端を発したエネルギー危機では、液化天然ガス(LNG)や石炭といった資源を豪州から輸入する日本と、ガソリンや軽油などの石油製品を日本から輸入する豪州の「相補関係」の重要性が浮き彫りとなった。今回発表した「経済安保協力に関する共同宣言」は、22年の共同宣言を「補完する」と位置付けた。

日本外務省関係者は「この乱世の時代、日豪の安定的な関係はもっと注目されるべきだ」と述べ、協力の意義を訴えた。

【時事通信社】 〔写真説明〕自撮りするオーストラリアのアルバニージー首相(手前左)と高市早苗首相(同右)=4日、キャンベラ(EPA時事) 〔写真説明〕会談する高市早苗首相(右列手前から3人目)とオーストラリアのアルバニージー首相(左列手前から5人目)=4日、キャンベラ(EPA時事)

2026年05月04日 19時02分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース