日銀、1%への利上げ本格検討=今月会合の可能性も―物価上振れ警戒



日銀が政策金利を1%に引き上げる追加利上げを本格検討している。混迷の続く中東情勢を受けた原油高の影響で、物価の上振れリスクが強まっていることが背景だ。早ければ今月15、16日に開く次回の金融政策決定会合で、利上げに踏み切る可能性がある。ただ、サプライチェーン(供給網)が途絶えれば、景気が悪化する恐れもあり、日銀は会合ぎりぎりまで状況を見極め、最終判断する。

政策金利は現在、0.75%。次回会合で利上げすれば、昨年12月以来4会合ぶりとなる。

日銀は4月の前回会合で金融政策の現状維持を決めたが、政策委員9人のうち3人が反対し、利上げを提案した。さらに、現状維持に賛成した増一行審議委員が5月14日の講演で、「景気下振れの兆しがはっきりとした数字で表れないのであれば、できる限り早い段階での利上げが望ましい」と述べ、早期の政策変更に理解を示した。

日銀が利上げに傾いているのは、物価の上振れリスクが強まっているためだ。4月の国内企業物価指数は前年同月比4.9%の大幅上昇を記録。原油高の影響が企業間取引という「川上」で明確に表れた格好で、今後、「川下」の消費者物価に波及する公算が大きい。

ただ、石油関連製品などの供給網が途絶えれば、生産調整の動きが一気に広がる恐れがあり、高市早苗首相は利上げに慎重とされる。植田和男総裁は5月22日、高市首相と首相官邸で会談後、記者団に「さまざまな側面について有益な意見交換ができた」と語った。日銀は会合直前まで経済・物価情勢を点検。中東混乱の影響が一段と深刻化し、景気減速の恐れが排除できない状況になれば、利上げ判断を7月に先送りする可能性もある。

2026年06月03日 07時04分

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