巨額投資の動向注視=USスチール買収1年―米労組幹部



【ピッツバーグ(米ペンシルベニア州)時事】日本製鉄によるUSスチール買収完了から1年。合意まで計画に猛反発していた全米鉄鋼労組(USW)は今、鉄鋼の日米連合をどう見詰めているのか。USスチールが本社を構えるペンシルベニア州を統括するUSW幹部のバーニー・ホール氏に聞いた。

―買収から1年が経過した。

大規模な投資には時間がかかるため、慎重ではあるが楽観的に見ている。日鉄が多くの人員を投じて操業状況を詳しく調べて評価していることは心強い。具体的にどのような事業や設備に投資するのか、さらに議論を重ねていきたい。

―買収が決まるまでは反対していた。

昨年はいくつかの点で折り合えず計画を支持できなかったが、既に合意は成立した。重要なのは、企業と労働者の双方が恩恵を受ける最善の形で前進していくことだ。日鉄が立て直しに成功すれば、労働者や地域の住民、関係する全員が恩恵を受ける。

―日鉄は投資規模を当初より拡大する。

今月公表された最大25億ドル(約4000億円)の投資が実現すれば、製鉄所の事業が安定し、受注も広がる。だが、現在進み始めている投資の多くは、残念ながらもっと前に行われるべきだった。USスチールは米国を象徴する企業だが、設備投資を怠ってきた。発表から1年ほどで撤回された投資もあり、20年前に更新されていてもおかしくない設備もある。

―日鉄に期待することは。

USスチールは米国を象徴する企業だけに、協力するのが難しい相手だと思う。だが、日鉄の印象は誠実で、これまでとは異なる。日鉄の評価はこの先、具体的に何をするかに懸かっている。

―中国との競争に対処するには。

問題はむしろ大きくなっている。トランプ米政権の関税には産業を守るという一定の役割があるが、過剰生産など貿易面で最も悪質なルール違反を犯している中国こそが、われわれの存続を脅かす脅威だ。日米企業にとって本当に対処すべき問題は中国で、しっかりと連携していくべきだ。

〔写真説明〕インタビューに答える全米鉄鋼労組(USW)幹部のバーニー・ホール氏=17日、米ペンシルベニア州ピッツバーグ

2026年06月19日 07時04分


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