【ワシントン時事】中東情勢を巡る不透明感がくすぶる中、米景気は堅調さを保っている。商務省が30日発表した経済指標は、消費と人工知能(AI)ブームがけん引する設備投資の強さを改めて浮き彫りにした。一時的な原油価格の下落でインフレも鈍化。ただ市場では、米イランの戦闘が激化すれば、原油相場が再び上昇し、インフレ高進が避けられないとの警戒感も漂う。
4~6月期の実質GDP(国内総生産)速報値は前期比1.5%増。輸出減が響いて伸び率(前期2.1%増)は鈍ったが、GDPの7割を占める個人消費が3.2%増(同0.5%増)と急回復、経済を下支えした。底堅い雇用情勢や、トランプ政権の大型減税による税還付増が効果を発揮した。
設備投資も8.4%増(同10.6%増)と好調。AI普及に欠かせないデータセンター関連の需要増大が寄与した。アマゾン・ドット・コムなどハイテク大手4社のAI投資計画は今年だけで7000億ドル(約112兆円)と国家予算並み。AIが景気を押し上げる構図が続くとの楽観的な見方もある。
原油安を受けて6月の個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率も3.7%と、前月の4.1%から減速。足元のインフレはいったんは下がった。
ただ、気がかりなのは中東情勢の動向だ。7月に入ってから米国とイランは軍事攻撃を繰り返すなど、情勢は不安定。海上輸送の要衝ホルムズ海峡の航行正常化が見通せず、エネルギー高が持続すれば、広範な物価上昇圧力が生じかねない。
市場では、様子見を続ける連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ退治を優先するため、9月に利上げに追い込まれるとの見方が浮上。利上げに踏み切れば金融環境が引き締まり、「消費者に重荷」(金融大手)となる事態は避けられない。
2026年07月31日 20時30分
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