高市首相、日銀の国債購入に強い関心=発動条件巡り対立不可避



高市早苗首相の国債買い入れ要請は、「金融政策の具体的手法は日銀に委ねる」としてきた政府の立場を踏み越えるものだ。しかし、買い入れ発動を巡る双方の認識には開きがあり、今後の火種になる可能性もある。

政府関係者によると、国債増発に伴う金利上昇を懸念する首相は、周辺の助言もあって日銀による国債買い入れに強い関心を寄せてきた。5月に3兆円規模の補正予算を編成した際も、日銀を使って財源を確保できないか一時検討したもようだ。

かつて「金融政策を含む責任は政府にある」と発言した首相も、就任後は具体的なコメントを控えている。だが、この先の歳出増で国債の増発は避けられなくなることから、あらかじめ日銀の協力を取り付けておこうと考えたものとみられる。

実際、官邸サイドは5月の会談終了後、首相の発言概要をメモにして植田和男日銀総裁に渡し、報道陣の前で読み上げるよう求めた。また、6月の金融政策決定会合で政府代表は首相と同じ発言を繰り返し、国債買い入れへの「適切な対応」を促したという。

一方、日銀は6月に決めた買い入れ計画について、市場にヒアリングした結果を踏まえて自主的に判断したと説明している。しかし、政府関係者は「首相が利上げの見返りだと理解しても構わないと日銀は考えたようだ」と指摘する。

植田総裁との会談を踏まえ、首相は金利上昇時の対応を引き続き迫る公算が大きい。これに対して日銀は従来、「金利急騰時には機動的に買い入れる」との方針を示しており、植田総裁もこれを念頭に置いて答えたもようだ。しかし、過去2年間の金利上昇局面で「機動的な買い入れ」を一度も実施しておらず、今後、買い入れの発動を巡り首相と総裁の対立が表面化することもあり得る。

2026年08月05日 08時06分

administration


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