
来年4月から食料品消費税を2年間、1%に引き下げる方針が決まり、影響を受ける事業者は対応を急ぐ。外食業界では弁当や総菜などとの税率差が拡大するため、減税対象となるテークアウトを拡充する。小売業の店舗ではレジシステムの改修など綱渡りの作業を強いられそうだ。減税に伴う収入減が見込まれる小規模農家の支援も課題となる。
外食業界は店内飲食が税率10%で据え置かれるため、客離れを懸念する。税率が1%に引き下げられるコンビニの弁当やスーパーの総菜との税率差は2%から9%に拡大。外食大手ワタミの渡辺美樹会長兼社長は「非常に厳しい。外食は客数減になる」と身構える。業界団体は政府に対し、プレミアム商品券の発行などの需要喚起策を求めている。
牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスはテークアウトやデリバリーの拡充を視野に入れ、丹羽清彦執行役員は「どんな環境でも受け入れる」と強調。ロイヤルホールディングスの阿部正孝社長も、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」で「テークアウト専用メニューを検討している」と明かす。
レジ対応も急務だ。メーカー各社によると、新型機種は短期間で修正できるが、一般的には「システム改修から店舗展開までに半年程度が必要」(大手)という。政府の方針決定が8月にずれ込み、時間的な余裕は一段となくなった。オール日本スーパーマーケット協会の中村伸一郎専務理事は「生活者の皆さまに混乱を招かないよう全力を挙げて対応する」と危機感を示す。
年間売上高が1000万円以下の免税事業者が多い農家は、販売先から受け取った消費税を納付する必要はなく、収入として手元に残る。税率が1%になれば、受け取る金額が減る一方、燃料や肥料の仕入れで払う税率は10%で変わらず、経営が圧迫される。
政府は小規模農家や外食への支援を検討しており、来年度から資金繰り支援などの予算措置を講じる方針だ。全国農業協同組合中央会(JA全中)の神農佳人会長は「課題解消の施策をお願いしたい」と訴えている。
〔写真説明〕牛丼(資料写真)
2026年08月05日 21時50分