米国酒類市場で「RTD」拡大=日本の定番商品も参戦



【ニューヨーク時事】物価高や健康志向の高まりを背景にアルコール離れが進む米国で、缶のまま飲める酒類「RTD」が存在感を増している。英飲料市場調査会社IWSRによると、米国のアルコール消費量は2015~25年に年平均1%減少し、近年ではビールやワインの落ち込みが大きい。一方、RTDは同期間に年平均14%成長。日系メーカーは海外成長のチャンスと見て、日本の消費者にもおなじみの商品を投入している。

RTDは「Ready

to

drink」の略称で、缶入りなどの開けてすぐに飲める酒類。通常、缶ビールは含まず、国内での報道では「缶チューハイなど」と記載されることがある。

米国での成長の契機はアルコール入り炭酸飲料「ハードセルツァー」の登場だ。IWSRのローデウェイクス社長によると、従来のRTDほど甘くない味わいが、ビール以外の選択肢を求めていた消費者を引きつけた。杯数ベースの構成比は、15年の2%から25年には8%へ拡大し、同年の市場規模は220億ドル(約3兆5000億円)に達した。

こうした中、日系メーカーも、日本で親しまれるRTDの「米国版」を投入している。サントリーホールディングス(HD)は23年、「―(マイナス)196」の発売を一部州で始め、25年には全米各地に拡大。アサヒグループHDは米国市場に合わせた「贅沢搾り」を昨年12月から、キリンHDも「氷結」を今年3月から一部地域で販売している。日本国内でアルコール消費の縮小が続く中、まだシェアは小さいものの、米国のRTDを有望市場と位置付けて販売基盤の確立を急ぐ。

一方、ローデウェイクス氏は「米国には膨大なRTDのブランドが存在するが、成功した数は少ない」と述べ、競争が激しいと説明。ビールなどを扱うメーカーには、RTDの拡大がビールなど他商品の販売減につながる難しさがあると指摘する。その上で、テキーラがメキシコ文化と結び付いて米国で人気を得たように、日系メーカーの成功には「日本食とのつながりだけでは限界があり、映画や音楽などさまざまな日本の文化的要素と結び付けることが重要だ」と話している。

〔写真説明〕米国の酒店で売られている「RTD」。サントリーホールディングスの「―(マイナス)196」も陳列されている=3日、ニューヨーク 〔写真説明〕サントリーホールディングスが米国で販売しているRTD「―(マイナス)196」(米国版、同社提供・時事) 〔写真説明〕アサヒグループホールディングスが米国で販売しているRTD「贅沢搾り」(米国版、同社提供・時事) 〔写真説明〕キリンホールディングスが米国で販売しているRTD「氷結」(米国版、同社提供・時事)

2026年10月07日 08時11分


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