
GMOインターネットは、外国為替証拠金取引(FX)の自動売買用に貸し出しているサーバーに対する不正アクセス問題で、政府に「能動的サイバー防御」の適用を要請した。警察や自衛隊が攻撃側のサーバーに侵入し、プログラム除去などで被害拡大を防ぐ能動的サイバー防御は、あくまで政府主体での動きを想定しており、攻撃を受けた民間からの要請は異例だ。GMOは、国民生活への影響を強調し、適用を求めている。26日には、攻撃者から21日を支払期限として5000万ドル(約80億円)の金銭要求を受けていたことも明らかにした。
能動的サイバー防御は、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐため今月1日に運用を開始。サイバー対処能力強化法と関連法が同日付で施行されたことに伴う対応だが、保護の対象には電力やガスなど国民生活への影響が大きいインフラ事業者を定めており、GMOのような企業は念頭に置いていない。親会社GMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長は26日までに自身のブログで、「国民の大切な資産とデータが国境を越えた脅威にさらされている」と強調。適用を訴えた。
ただ、サイバー問題に詳しい専門家からは、防御対象がGMOの顧客に限られる形となるため「本来の趣旨からしても適用には無理がある」との指摘が出ている。政府は能動的サイバー防御を適用するかどうかについて、「政府の対応状況を攻撃者に知らせることにもつながる」(木原稔官房長官)として明らかにしていない。
情報セキュリティー会社S&Jが攻撃者とみられる者のサイトを分析した報告書によると、攻撃者はその後、GMOに27日正午までに100万ドルを支払うよう要求していることが判明。GMO側は「要求には応じない」としている。
〔写真説明〕GMOインターネットのロゴマーク
2026年10月26日 20時02分