薬用植物「甘草」を国産化=安定供給へ、北海道で大規模栽培―王子HD



王子ホールディングス(HD)のグループ会社、王子薬用植物研究所(北海道名寄市)は、漢方薬などに使われる薬用植物「甘草」の栽培に取り組んでいる。試行錯誤の末、大規模収穫できるシステムを確立。国産化により、安定した品質や供給量の確保を目指す。

同社によると、甘草はせき止めや炎症を抑える効果があり、国内で販売される漢方薬の約7割に含まれる。保湿効果や味を調える作用もあるとされ、化粧品や食品にも用いられる。

日本での薬用植物の栽培は戦後に衰退し、現在は大部分を中国やモンゴルなど海外野生品の輸入に頼っている。しかし、現地の無計画な採取による資源の減少などで継続的な調達に懸念が生じている。

王子HDは2014年、安定供給や流通経路を確認できるトレーサビリティーの実現を目指し、北海道下川町で甘草の栽培を始めた。製紙事業で培った技術を活用したものの、当初は大規模農地での栽培手法が存在せず、失敗を重ねた。

肥料や農業機械の改良を重ねて21年ごろから収穫が軌道に乗り、北海道安平町の社有地でも栽培を開始。化粧品メーカーなどと取引できるようになった。

安平町で今月20日に行われた収穫作業。畑の石を取り除く農機具に改良を加えたトラクターが、甘草の根を刈り取りながらゆっくりと走行した。

今年の収穫は農地約7000平方メートル分に上るといい、同研究所の佐藤茂取締役は「今年も上々だ」と満足げだ。今後は「現在3年かけている栽培を2年に短縮できるようにしたい」と意気込む。

〔写真説明〕北海道安平町で収穫された甘草の根=20日午後 〔写真説明〕甘草栽培のために改良されたトラクターで行われた収穫の様子=20日午後、北海道安平町

2026年10月31日 14時30分


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