次期戦闘機、ドイツの参加意欲に苦慮=日本政府、開発遅れ懸念



ドイツのメルツ首相が日英伊3カ国による次期戦闘機の共同開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」への参画に意欲を示したことを受け、日本政府が対応に苦慮している。新たな国が参加すれば計画が遅れ、2035年の初号機配備に狂いが生じる懸念があるためだ。

「戦闘機製造で協力の可能性を検討したい」。来日したドイツのメルツ首相は28日、高市早苗首相と会談した後、共同記者発表でこう表明。横に立つ高市氏はGCAPに言及しなかった。

木原稔官房長官は29日の記者会見で、関連するやりとりが会談であったと認めつつも、詳細は明かさず、「開発スケジュールや防衛産業への影響を考慮しながら取り組む」と述べるにとどめた。

GCAPは2022年に3カ国が発表した計画だ。日英伊の政府間機関「GIGO」が司令塔となり、合弁会社「エッジウイング」が設計・製造を担当。高度なステルス性とネットワーク戦闘能力を併せ持つ第6世代機を目指している。

一方、ドイツは当初、フランス、スペインと次期戦闘機の開発を推進。しかし、企業間の主導権争いが激化し、計画が頓挫した経緯がある。バーナム英首相は8日にメルツ氏と会談した際、ドイツの参画に「前向きだ」と伝えた。

もっとも、日本政府の反応は複雑だ。外交的には中国寄りとされてきたドイツを引き寄せたいとの計算が働く。ドイツが参加すれば開発費用を抑えられるメリットもあり、防衛省幹部は「ドイツの技術力を生かせるのも大きい」と指摘する。

ただ、日本政府は次期戦闘機をF2の後継機と位置付けており、同機の退役が始まる35年に配備を開始するのが最優先課題。官邸関係者は「ドイツが入れば役割分担をやり直すことになり、計画が10年遅れる」と懸念を隠さない。

ドイツはGCAPに加え、スウェーデンとの協力も検討しているとされる。日本としては開発計画へのドイツの関与を一定程度にとどめつつ、次期戦闘機の売り込み競争では「スウェーデンに負けたくない」(政府関係者)のが本音だ。GCAPではカナダがオブザーバー参加を決めた経緯もあり、関係者は「着地点を探るしかない」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕共同記者発表する高市早苗首相(右)とドイツのメルツ首相=28日、首相官邸 〔写真説明〕共同記者発表で発言するメルツ首相=28日、首相官邸

2026年10月29日 20時30分


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