信号エラーで誤進入か=衝突回避装置なし、インド列車衝突



【ニューデリー時事】インド東部オディシャ州で起きた列車衝突事故で、信号機の誤った表示で列車が本来とは別の線路に進入し、衝突につながった可能性があることが分かった。バイシュナブ鉄道相は4日、信号を含め、列車を安全に運行するための制御システムが正常に働かなかったことが原因との見方を示した。

オディシャ州によると、死者は少なくとも275人に上る。鉄道省は先に288人が死亡したと発表したが、二重計上があった。今世紀に入って以降、インド国内や「世界でも最悪レベル」(地元メディア)の鉄道事故となった。

地元メディアが伝えた鉄道当局の初期調査によれば、2日夜、東部コルカタ近郊から南部チェンナイに向かって走行中だった旅客列車が分岐器(ポイント)で進路を変え、別の線路に停車していた貨物列車に衝突。旅客列車が脱線し、一部が並走する線路に乗り上げた。そこに対向してきた別の旅客列車が衝突した。進路変更は信号機が故障した結果の可能性があるという。

バイシュナブ氏は地元メディアに「事故の根本原因と責任者を特定した」と指摘。運行制御システムの不具合が原因と説明したが、詳細は明らかにしなかった。

また、現場には列車の衝突を自動で回避する装置が設置されていなかったことも判明。しかし、設置されていても衝突までの時間が短過ぎ、回避できたかは不明という。2本の旅客列車はいずれも100キロを超える速度で走行。計数千人が乗車していたとみられる。

〔写真説明〕4日、インド東部オディシャ州バラソールの鉄道事故現場で続く当局の調査(AFP時事)

2023年06月04日 19時09分


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