【ワシントン時事】トランプ米政権は20日、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)の裁判官や検察官の4人に新たに制裁を科すと発表した。同盟国フランス、カナダ出身の裁判官も含まれている。米兵の戦争犯罪捜査を巡る決定やイスラエルのネタニヤフ首相への逮捕状発付に関わったのが理由で、事実上の報復措置だ。
ルビオ国務長官は声明を出し、ICCが米国やイスラエルに対する「司法闘争のための手段」として使われており、「国家安全保障上の脅威だ」と批判した。米国とイスラエルはICC設立条約の締約国ではなく、管轄権が及ばないと主張している。
対象に指定されたのは、仏加出身の裁判官のほか、太平洋の島国フィジー、アフリカ西部セネガル出身の検察官。
仏外務省は声明で「深い落胆」を示し、制裁の撤回を米国に要求。一方で「ICCとその職員への揺るぎない支持」を表明した。ICCも「独立性に対するあからさまな攻撃だ」と非難し、「いかなる制限や圧力、脅威にも屈せず、任務を遂行し続ける」と強調した。
〔写真説明〕ルビオ米国務長官(EPA時事)
2025年08月21日 07時33分