乏しい刷新感=内閣改造・解説



高市早苗首相が政権発足後初めての内閣改造に踏み切った。林芳正氏の交代など一定の変化は加えたものの、主要閣僚の多くを留任させ、政権の継続性・安定性を重視した形だ。狙いは、来年秋の自民党総裁選をできるだけ無風で乗り切る体制を構築することにある。全体として刷新感に乏しい印象は否めず、新たな政権像を打ち出そうとするメッセージは伝わりにくい。

首相の党総裁任期は、途中辞任した石破茂前総裁の残存任期である来年9月までだ。任期満了に伴う総裁選で再選されれば、新たに3年間の任期を得ることができる。首相は前回総裁選で争った茂木敏充外相、小泉進次郎防衛相を引き続き閣内に置き、総裁選へ布石を打った。

自民人事で総裁選のライバルだった小林鷹之政調会長のほか、麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長ら幹部を軒並み留任させたのも周到に環境を整備するためだ。改造・党人事は内向き志向の色彩が濃い。

首相は、一連の人事を政策推進に向けた「総力を挙げた実行体制」だとアピールする。ただ、政策の継続と人事の刷新は本来、両立し得る。基本路線を維持しながら重要ポストに新たな人材を登用し、政権の将来像や重点課題を示すことは可能だったはずである。今回の人事は自らの足場固めにはつながっても、国民の期待を高める効果があるかは見通せない。

党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)な首相を支えてきた内閣支持率は下落傾向にあり、止まらない物価高は国民生活を直撃している。支持が回復するかどうかは今まさに分かれ道にある。

当面の体制は構築した。内外の諸課題が山積する中、結果が問われる局面に入っている。連立を組む日本維新の会も閣内協力に転じた。高市政権の再スタートはここからが正念場となろう。(時事通信政治部長・国木田龍也)。

〔写真説明〕皇居での認証式に向かう高市早苗首相(中央)=17日午後、首相官邸

2026年09月18日 07時04分


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