「閣外」林氏、総裁選へ始動か=地方行脚継続、高市首相サイド警戒



17日の内閣改造で閣外に去った林芳正前総務相の動向に自民党内の注目が集まっている。昨年秋の党総裁選で高市早苗首相と争った4人のうち、1人だけ今回の人事で閣僚・党役員を続投しなかった上、地方行脚を継続する意向を早速表明したためだ。首相周辺は来年秋の総裁選で「反高市」勢力の結集軸になりかねないと警戒を強める。

「あすの(朝刊の)見出しになるといけないので、まだ先のことは分からないという程度にさせてもらう」。林氏は18日の東京都内での講演会で、総裁選への意欲を問われ、含みを持たせた。26道府県を総務相時代に回ったことに触れ、「あと21ある。地域の話を聴く機会を設けていければと思っている」と行脚継続への意欲も示した。

首相が今回の人事で狙ったのは来年の総裁選での再選を確実にすることだ。ライバルを囲い込むため、昨年争った小泉進次郎防衛相、小林鷹之政調会長、茂木敏充外相の留任を早々に内定。しかし、林氏の処遇はなかなか決まらなかった。「閣内にとどめても林氏の出馬の決意は動かない」(若手)との見方が影響した可能性がある。

首相が留任を求めなかったのか、林氏が求めを拒んだのか、「閣外放出」の経緯は明らかになっていない。林氏は18日の講演会で、「役職希望アンケートに続投と書かなかったのか」「首相とはけんか別れだったのか」と問われても、「人事のことは申し上げない」とけむに巻いた。

もっとも、閣外に出たことで、総裁選に向けてフリーハンドを得たのは間違いない。20日には高知市を訪れ、非主流派の一人である中谷元前防衛相の後援会会合に出席する。林氏に近い閣僚経験者は「地方を回って同志を集める」と語った。

林氏は政策的な立ち位置が首相とは対照的だ。対中強硬姿勢が目立つ首相に対し、林氏は日中友好議連会長を経験。首相が進める食料品の消費税減税にももともと慎重だ。18日の講演会では消費減税について「連帯責任」に触れつつ、「財源をなるべく早く明示してほしい」と注文を付けた。

林氏は首相と距離を置く石破茂前首相と近く、森山裕前幹事長、武田良太元総務相らとも面会を重ねる。来年の総裁選で「反高市」勢力を糾合して首相と激突するシナリオもささやかれており、首相側近は「一騎打ちになれば『反高市』票が林氏に集まる。今後は林対策が課題だ」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕講演会で話す林芳正前総務相=18日午後、東京都千代田区

2026年09月19日 07時10分


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