第2次高市改造内閣が17日発足し、政府は2027年度予算編成を本格化させる。「強い経済」実現に向けた予算編成改革で概算要求額が過去最大の143兆円超に膨らむ一方、財政悪化懸念などを受けて円安・債券安が歴史的水準に達しており、成長と財政規律の両立が課題となる。特に、来年4月に実施する消費税減税の財源を赤字国債に頼らず確保できるかが焦点となりそうだ。
高市早苗首相は同日の記者会見で「成長なくして財政の持続可能性は維持できない」と強調した。
食料品の消費税減税では、給付措置と合わせて年約5兆円の財源が必要となる。政府は歳出・歳入全般の見直しで確保する方針だが、財源候補である租税特別措置や補助金の削減・縮小は思うように進んでいない。
一方、歳出圧力は強まっている。高市政権は日本成長戦略で40年度までに総額370兆円超の官民投資を掲げ、来年度予算に成長力強化や危機管理投資を後押しする「強く豊かな日本」投資枠を創設。各省庁に上限を設けず要求を認めた。また、これまで補正予算に計上していた施策も当初予算に一本化。概算要求額は143兆円を超えた。
防衛費は安全保障関連3文書の改定によって、予算規模が最終的に数兆円単位で上振れする恐れがある。人工知能(AI)や半導体分野にも巨費を投じる方向で、費用対効果の高い施策に絞り込めるかが問われる。
市場では、中東情勢を受けた原油高による世界的なインフレ懸念も重なり、長期金利が今月、約30年ぶりに3%を突破した。国債を大幅増発すれば、さらなる金利上昇で利払い費が増加し、財政を一段と圧迫しかねない。予算編成は、日本財政への市場の信認確保に向けた正念場となる。
物価高を招いている円安や輸入原油への対応も急務。米市場の不安定化を危惧するベセント米財務長官が繰り返し日銀に利上げを促すなど、円安に対する外圧も高まっている。ホルムズ海峡封鎖を受けた原油の代替調達は綱渡りの状況が続いている。
労働分野では、実質賃金引き上げや労働生産性向上が課題となる。高市政権は裁量労働制などの労働時間規制の見直しを検討するが、労使の溝は大きく難航は必至だ。
【時事通信社】
2026年09月18日 07時03分
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