高市外交、課題山積=米中接近を懸念



第2次高市改造内閣にとって、予測不能な外交姿勢を続けるトランプ米政権との安定的な関係維持が外交上の目標となる。来週に迫る米中首脳会談をにらみ、米政権との意思疎通の強化を図るが、国際刑事裁判所(ICC)を巡る問題は火種となり得る。台湾有事発言を契機に冷え込んだ日中関係も停滞したままで、事態打開に向けた首相の外交手腕が試される。

米中首脳は24日にワシントンで会談する予定で年内に3回顔を合わせる機会がある。トランプ大統領は11月の米中間選挙を前に習近平国家主席との会談で経済面での成果を得たい考えとみられる。

日本は米中接近による「日本外し」を警戒する。合意次第では日本の安全保障政策や経済政策に影響しかねない。政府関係者は「米中が接近し過ぎるのは困る」と不安視。トランプ氏の言動が予測できないことが懸念を強める背景にある。

首相は来週、国連総会出席のため訪米する。その機会にトランプ氏と意見交換し、対中戦略を巡る認識を共有したい考えだ。ただ踏み込んだ議論をすればICCなどを巡る見解のずれが露呈する恐れもある。外務省関係者は「対面より電話がいい」と述べた。

米政権はICCの赤根智子所長を制裁対象に加え、組織解体も辞さない構え。「法の支配」を重視する首相はICCを支持する立場だ。与野党から米国への抗議や制裁撤回を求める声が強まっており、米国との同盟関係を継続しながら「法の支配」の原則をどう貫くかが問われる。

日中関係は昨年11月の台湾有事に関する首相答弁を機に冷え込んだ。中国は経済面などで対日圧力を緩めておらず、対話の機運は乏しい。首相は11月に中国で開催するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で習氏との対話実現を模索するが、「会談できる環境にない」(外務省幹部)との見方は強く、実現は見通せない。

日ロ関係も打開の糸口を見いだせない状況が続く。8月のプーチン・ロシア大統領の北方領土訪問を受け、新たな対抗策を打ち出せずにいる。中東情勢が不安定化する中、ロシアからのエネルギー供給の影響を考慮した対応だが、政府内からも「領土の話でやられっぱなしでいいわけがない」と批判の声が出始めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=17日、東京・永田町 〔写真説明〕外相再任が決まり、首相官邸に入る茂木敏充氏=17日午後、東京・永田町

2026年09月18日 07時05分


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