松村祥史国家公安委員長は28日、時事通信などのインタビューに応じ、災害に対する警察の備えについて、組織内の体制強化が必要との認識を示した。主なやりとりは次の通り。
―抱負は。
サイバー空間の安全確保から自転車まで職責が幅広く、また深いと感じている。国民の安心安全、治安維持を担う重責だと考えている。
―災害に対する警察の備えは。
今年は関東大震災から100年の節目。私も熊本で地震や水害を経験した。警察職員が被災した場合、被害者でありながら、支援者であり続けなければならない。これは大変なこと。だからこそ、警察内で万全の備えをやっておく必要があり、対策の充実を図っていきたい。
大規模災害から得られた教訓を踏まえ、警察災害派遣隊による即応態勢の確保、消防、自衛隊などと連携した訓練、装備資機材の充実により災害対策強化に取り組む。
―警護警備について。
安倍晋三元首相銃撃事件を受け、警護を見直した。しかし、岸田文雄首相襲撃事件が発生した。警察と主催者の連携強化や聴衆の安全確保が課題として出てきた。主催者への働き掛けや連携を密にしていくことに取り組んでいる。
―サイバー空間をめぐる脅威に対する取り組みは。
極めて深刻な情勢が続いている。サイバー空間の安全安心の確保は、国民が安心して暮らせる社会の実現に不可欠。サイバー特捜隊を特捜部に格上げすることを検討するなど、体制整備を図りながら、サイバー事案の厳正な取り締まりや実態解明、国内外の関係機関との連携をさらに推進するよう指導する。
〔写真説明〕インタビューに答える松村祥史国家公安委員長=28日午後、東京・霞が関
2023年09月28日 17時51分