「紛失防止タグ」悪用を禁止=改正ストーカー規制法が成立



忘れ物防止に使われる「紛失防止タグ」を位置情報の取得に悪用することなどを禁じる改正ストーカー規制法が3日、参院で可決、成立した。警察の職権でストーカー行為の中止を文書で求める「警告」を出せるようにもなり、警察当局は新たな規制と迅速な対応で高止まりする被害に対処する。近く公布され、年内にも施行の見通し。

改正法では、既に規制の対象となっている全地球測位システム(GPS)機器と同様に、ストーカー目的で紛失防止タグを相手に無断で持ち物などに仕込む行為や、タグが発する識別信号を使って相手の位置情報を取得する行為を禁止。違反すれば同法に基づく罰則の対象となる。

また、ストーカー被害に遭っていた川崎市の女性が殺害された事件を教訓に、心変わりなどで被害者からの申し出が得られていなくても、警察が必要と判断すれば加害者に警告できるようにした。加害者への措置ではより厳しい「禁止命令」もあるが、比較的手続きが簡素な警告を迅速に出せるようにすることで被害者の安全確保を図る。

この他、探偵業者などを使った情報収集を警察が把握した場合、業者にストーカー行為に関与する恐れがあると通知して中止の要請ができるよう規定。被害者が他の都道府県に避難した後も、元の居住地の警察が警告などの措置が取れるようにする規定も盛り込まれた。

〔写真説明〕国会議事堂=東京都千代田区

2025年12月03日 15時04分


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