
家畜伝染病「アフリカ豚熱(ASF)」の発生が確認されたスペインから豚肉の輸入が停止され、ハムやベーコンなどの安定調達に暗雲が立ち込めている。特に、生ハムはスペイン産が輸入品の7割弱を占め、需給や価格への影響が懸念される。
東京・赤坂のスペイン料理店「バルマル・エスパーニャ赤坂見附店」は、人気メニューの生ハムなど4品にスペイン産豚肉を使っている。運営会社の小西広郎代表は「イベリコ豚を食べに来る客が離れないか心配だ」と話す。輸入停止後、生ハムの仕入れ先に注文が急増しているといい、「年内で店の在庫が切れるかもしれない」と顔を曇らせた。
農林水産省は先月28日、日本で飼育しているブタのASF感染を防ぐ目的で、野生イノシシの感染が確認されたスペインから豚肉の輸入を停止した。これまでにASFが発生した84カ国・地域のうち、停止措置が解除されたのはベルギーなど3カ国にとどまる。
【時事通信社】
〔写真説明〕「バルマル・エスパーニャ赤坂見附店」で提供されるスペイン産生ハムの脚=3日午後、東京都港区
2025年12月03日 20時19分