腎臓病内服薬で不妊治療=早発閉経患者の卵胞発育―順大と香港大



40歳未満で月経がなくなる早発閉経(早発卵巣不全)患者に慢性の腎臓病や心不全の内服薬を投与したところ、卵巣に残っている卵子を含む卵胞を発育させることができたと、順天堂大や香港大などの研究チームが10日までに米科学誌サイエンス電子版に発表した。

新たな不妊治療法になると期待され、順大の河村和弘教授は「今後は卵巣を刺激する方法を最適化するほか、より有効性の高い薬剤を見つけたい」と話している。

早発閉経の卵巣は組織が硬くなる線維化が起き、卵胞の発育が妨げられる。研究チームが臨床試験を行った内服薬「フィネレノン」(商品名ケレンディア)は、腎臓や心臓の線維化を抑える働きがある。卵巣を刺激する薬剤や卵子を成熟させる薬剤も使い、採卵から体外受精を経て受精卵を得ることができた。

あらかじめマウスの卵巣でフィネレノンが卵胞の発育を促進する効果を確認しており、投与して交配させる実験では、通常より多くの子を産み、子に異常は見られなかった。

河村教授は聖マリアンナ医科大准教授だった2013年に「卵胞活性化療法(IVA)」を発表し、臨床応用されている。患者の卵巣の一部を腹腔(ふくくう)鏡手術で取り出し、卵胞を薬剤で活性化させてから卵巣を覆う膜の下に移植して発育させる方法だが、全身麻酔で手術するため負担が重いのが課題だった。

内服薬で同様の効果を上げるため、既に他の病気の治療に使われ、安全性が確認されている約1300種類の薬剤をマウス卵巣で試した結果、フィネレノンを探し当てた。

〔写真説明〕順天堂大=東京都文京区

2026年02月10日 18時06分


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