
8日の衆院選は自民党が圧勝し、政府・与党は経済財政運営でも主導権を握った。しかし、3月末までの成立が絶望的な2026年度当初予算案などへの対応を急ぐ必要があるほか、公約に掲げた消費税減税には財源をめぐり市場が厳しい目を向けており、実際には難路が待ち受けている。
26年度予算案は来週にも召集される特別国会で審議される。政府は議論を急ぎたい考えだが、25年度中の成立は困難で、暫定予算の編成は不可避だ。国民生活や経済活動への影響が大きい税法も3月末までに改正案を通す必要がある。
消費税減税の議論も難題だ。与党は公約で2年間に限り食料品の税率ゼロを掲げ、財源は赤字国債に頼らないとした。高市早苗首相は補助金や租税特別措置の見直し、税外収入により確保できるとの考えを示してきた。
ただ、具体的な議論は、超党派で立ち上げる「国民会議」で進める。主要各党は減税を訴えて衆院選を戦ったが、減税の内容や財源の考え方には開きがある。首相は9日の記者会見で「野党の協力が得られれば、少なくとも夏前には中間取りまとめを行いたい」との意向を示したが、時間的な余裕はない。
こうした状況下で、市場は政権の動向を注視している。首相が消費税減税を打ち出すと、財政悪化への懸念から国債が売られ、金利が急上昇した。衆院選の演説で首相が「外為特会の運用が今ホクホク状態だ」と発言すると、円安容認だと受け取られ、急速に円売りが進む場面もあった。
減税をめぐる市場の懸念が強まれば、さらなる金利上昇や円安を招く恐れがある。円安の進行は輸入物価を押し上げ、物価高を助長しかねない。ある経済官庁幹部は「与党が圧勝しようが、今後も市場の目はある。責任ある積極財政の『責任』の部分を意識する必要がある」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕衆院選から一夜明け、記者会見する高市早苗首相(自民党総裁)=9日午後、東京・永田町の同党本部
2026年02月10日 07時33分