転覆船出航、経緯解明続く=船長一任、判断に甘さも―事故16日で1カ月・沖縄辺野古沖



沖縄県名護市の辺野古沖で小型船2隻が転覆し、同志社国際高(京都)の女子生徒ら2人が死亡した事故は16日で1カ月となった。第11管区海上保安本部(那覇市)は2隻を押収し、船の運航団体の関係先を業務上過失致死傷容疑などで家宅捜索。同高からも事情を聴くなどし、船長らに一任されていた出航判断の経緯や適否の解明を急ぐ。

事故は3月16日、米軍普天間飛行場の移設工事が進む辺野古沖で起きた。平和学習に訪れていた同高生18人と乗組員3人が乗る2隻が転覆し、「不屈」の金井創船長(71)と「平和丸」に乗っていた同高2年武石知華さん(17)が死亡した。

2隻は移設に反対する市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航し、普段は抗議活動に使われていた。現場付近は当時風速4メートルで波浪注意報が出ていたが、協議会は運航を中止する風速や波高の基準を定めていなかった。

近くに住む80代男性は「ニンガチカジマーイ」と呼ばれる旧暦2月特有の海が荒れる日だった可能性があると指摘。現場のリーフ(環礁)周辺について「強い波が来て危ない。あんな小さい船ではだめだ」と話した。

同高によると、引率教員は出航判断を金井船長らに一任し、体調不良を理由に同乗しなかった。昨年夏の下見でも乗船せず、西田喜久夫校長は事故翌日の記者会見で「認識や判断の甘さがあったと思う」と認めた。

同高は3月24日に保護者説明会を開催。武石さんの母親が「脆弱(ぜいじゃく)な船になぜ乗せたのか」などと涙ながらに質問し、出席者からも安全性配慮の欠如に対する批判が集中した。文部科学省は保護者への説明や教員の引率態勢に不備があったとみて同高を運営する学校法人同志社から聞き取り調査を行い、再発防止を図る考えだ。

船を巡っては、協議会は「ボランティアであり事業ではない」として海上運送法上の事業登録をしておらず、国土交通省が実態調査に乗り出している。11管本部の幹部は「一般的に業務上過失致死傷容疑の事件は資料の調査などで時間がかかる。今回は多くの方が乗っており、事情を聴く人数も多い」と話し、捜査長期化を示唆した。

〔写真説明〕ヘリ基地反対協議会の拠点に置かれる、転覆した「平和丸」と「不屈」(奥)=3月20日、沖縄県名護市辺野古 〔写真説明〕辺野古沖で船2隻が転覆し女子高校生ら2人が死亡した事故で、運航していた市民団体「ヘリ基地反対協議会」の事務所を家宅捜索した第11管区海上保安本部の捜査員ら=3月20日、沖縄県名護市

2026年04月16日 07時06分


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