
海外へ移送する目的で20代女性を誘拐したとして、警視庁特別捜査課は26日までに、所在国外移送誘拐容疑で、指定暴力団住吉会系組員山尾輝斗容疑者(25)=東京都新宿区新宿=を逮捕した。認否を明らかにしていない。
同課によると、同容疑者は新宿区歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一帯やその周辺に集まる若者らを、東南アジアの拠点に送り特殊詐欺のかけ子をさせるリクルート役で、少なくとも昨年6~8月に10~30代の複数の男女の渡航に関わったとみられる。いずれも帰国していないといい、同課は、詐取金などが暴力団の資金源になっているとみて実態解明を進める。
逮捕容疑は昨年6月下旬~7月上旬、何者かと共謀し、千葉県の当時27歳の女性に対し、ホストクラブの売掛金(ツケ払い)を約350万円分立て替えたと主張した上で、「お前には海外に行ってもらうことになる」「カンボジアに行けよ」などと言い、新宿区内のインターネットカフェに連行。見張り役に監視させて支配下に置き、海外に移送する目的で誘拐した疑い。
山尾容疑者は女性がカフェから外出する際も、スマートフォンの全地球測位システム(GPS)で居場所が分かるようにしていた。
女性はトー横に出入りしており、知人を介して山尾容疑者と知り合った。パスポートを取得できなかったことなどから、渡航は免れたという。
同庁の捜査員が「トー横の人間がかけ子として海外に送り込まれている」という情報を入手し、捜査している過程で今回の事件が発覚した。
〔写真説明〕東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる地区=資料
2026年05月26日 10時59分