煙突強度、地域差も=識者「耐震化の点検必要」―熊本地震



熊本県内で最大震度7を観測した地震では、日本製紙八代工場(八代市)の煙突が倒壊し、9人の死者が出た。煙突には改正前の建築基準法に基づいて設置されたものもあり、識者は「耐震診断や補強の実施状況について点検が必要だ」と訴える。

60メートル以上の高さなどの煙突は建築基準法上、工作物とされ、「新耐震基準」で震度6強~7クラスの大規模地震でも倒壊、崩壊しない強度が求められる。国土交通省などによると、2007年以降は、建設前に国の指定認定機関による性能評価の審査を通過した後、国交相の認定を受ける必要がある。

ただ、1981年6月以前の「旧耐震基準」で求められたのは、震度5強程度の揺れで損傷しない強度。国交相の認定を受ける必要がなかった頃は、各県や市町村が妥当性の確認をしていた。

京都大大学院の五十子幸樹教授(耐震工学)によると、耐震基準で求められる強度には地域差がある。特に95年の阪神大震災以前は、九州などは地震発生頻度が少ないと考えられていたため、低く設定されていたという。

煙突の新設・改修などを専門とする会社によると、古い煙突でも、外部に鉄板を巻き付けるなどの耐震補強を行うことで、大地震に備えることができる。だが、「煙突への投資は費用が高く、後回しになりやすい」という。

五十子教授は「法が定めるのは最低限必要な強度。工作物の耐震化については、改めて確認が必要だ」と指摘している。

〔写真説明〕地震で損壊した日本製紙八代工場の煙突=7月29日午後、熊本県八代市

2026年08月06日 07時37分


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