お家芸、アジアでも壁=厳しい男子200平―アジア大会・競泳



お家芸とされる男子200メートル平泳ぎの決勝は元世界記録保持者の渡辺が3位、日本記録保持者の佐藤は8位に終わった。表彰台を逃した7月の世界選手権(福岡)に続き、日本はアジアの舞台でも存在感を示せなかった。

覃海洋(中国)の独壇場だった。福岡で平泳ぎ3冠だけでなく、この種目の世界記録を出した自国のスターの力泳にスタンドが沸き立つ。渡辺が踏ん張ったが、「満足できる練習ができてない中でめちゃくちゃきつかった」。最後は力尽きた。佐藤は目を真っ赤にし、「どうやって(泳ぎの感覚を)戻していいのか分からない」と絞り出すように話した。

この種目では、日本競泳陣が初参加した1954年大会以降、日本勢は常に表彰台に立ち、金メダルを逃したのも前回大会まで3度だけだった。アジアでは敵なしだった立場から様変わりした。

2017年に2分6秒67をマークした渡辺を最後に、この種目で日本勢の世界記録保持者は途絶えた。覃海洋が今夏出したタイムは2分5秒48。開幕まで1年を切ったパリ五輪までにどこまで差を埋められるか。「大きい壁。悔しい気持ちを持って日本に帰りたい」と渡辺。真価が問われるのはこれからだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕競泳男子200メートル平泳ぎ決勝、力泳する渡辺一平=28日、中国・杭州 〔写真説明〕競泳男子200メートル平泳ぎ決勝、力泳する佐藤翔馬=28日、中国・杭州

2023年09月28日 21時53分


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