
快音を残した相手打者の打球が外野の芝生で弾むたび、敵地に詰め掛けた虎党からは大きなため息が漏れた。阪神は12球団トップのチーム防御率を誇る投手陣が崩れ、よもやの大敗となった。
デュプランティエが誤算だった。シーズン終盤は下肢のコンディション不良の影響で戦列を離れ、この日が8月9日以来の登板。しかし、本来の姿は影を潜め、味方が先制した直後の一回に3失点。二回も甘い球を痛打されて失点を重ね、「言い訳はない。自分の投球ができなかった」。この回途中で交代を告げられ、うつむくようにマウンドを降りた。
傾いた流れは簡単には取り戻せない。救援した岩貞も山川に試合を決定づける3ランを献上。3番手伊原も五回に暴投で追加点を与え「逆転するためにも点を取られてはいけない場面だった」。長丁場のペナントレースで1度しかなかった2桁失点を頂上決戦で喫した。
接戦を制した前夜の試合後、藤川監督は「あしたはニューゲーム。自分のチームの野球をする、これに尽きる」と気持ちを切り替えていた。1勝1敗で第3戦へ。ファンが待つ本拠地・甲子園で仕切り直す。
【時事通信社】
〔写真説明〕1回、ソフトバンクの栗原(左)に同点適時打を打たれた阪神先発のデュプランティエ=26日、みずほPayPay
〔写真説明〕ソフトバンクにリードされ、ベンチで腕を組む阪神の藤川監督=26日、みずほPayPay
2025年10月26日 22時44分