
【ロンドン時事】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子で、日本の第一人者、高梨沙羅(クラレ)が復活の兆しを見せている。11月30日の個人第4戦(スウェーデン・ファルン)で今季自己最高の4位。「頭で考えていることをうまく体に伝えられている」と好調を実感している。
1回目は飛距離だけ見れば全体でトップの128メートルを飛び、「久しぶりに飛んでいて楽しかった」と両手でガッツポーズ。4位につけて迎えた2回目も122.5メートルとまずまずの飛躍で「課題だった2本そろえるところも、うまくできた」と手応えを口にした。
W杯で個人通算63勝を誇るが、着地時に入れるテレマーク姿勢への飛型点の採点比重が増した昨季、対応に苦しんで参戦14季目で初めて表彰台に乗れなかった。男子選手にも助言をもらうなど改善に取り組んできたことが、点数に表れ始めている。日本女子の金城ヘッドコーチは「目線の意識。下を見る癖があったが、遠くを見ることでテレマークが入れやすくなった」と変化の一端を明かす。
「テレマークはいろんな人たちが気にしてくれている。平均を上げていきたい」と高梨。表彰台も遠くなさそうだが、「まだまだと思いながら、引き続き頑張っていきたい」。言葉は慎重ながら、表情は明るい。
【時事通信社】
〔写真説明〕第4戦を4位で終え、笑顔を見せる高梨沙羅=11月30日、スウェーデン・ファルン(AFP時事)
2025年12月03日 20時32分