
窮地を動きの良さで逆転してみせた。支度部屋に戻った豊昇龍が強調したのは、無欲の境地。「勝ち負けを気にせず、楽しんでやる気持ち」。そう心境を話す表情に、強がっている様子は見えなかった。
相手は好調ぶりを示している高安。取組前、仕切り線を挟んで長く視線を合わせると、好勝負を期待する会場が沸いた。闘志を高めて臨んだ一番。左を差されて後手に回り、苦し紛れの引き技で土俵際に追い込まれた。ここでさっと体を開くと、相手の勢いを生かすようにして、とったりで仕留めた。「体の反応が良かった」と自賛した。
場所前に負傷した左膝は万全ではない。場所中も病院に通っていることを明かした師匠の立浪親方(元小結旭豊)は、「膝は痛そう。最後まで頑張れたらいい」と見守る。横綱として初の賜杯獲得は、師弟共通の思い。新大関の安青錦ら2敗の3人に、これ以上離されるわけにはいかない。
「慌てず、集中した」と豊昇龍。八角理事長(元横綱北勝海)も「必死だ」と執念を感じ取った。残り4日。白星を重ねれば、光が見えてくるかもしれない。
【時事通信社】
〔写真説明〕豊昇龍(左)は高安をとったりで下す=21日、東京・両国国技館
2026年01月21日 20時49分