
アイスホッケー女子日本代表の表彰台への挑戦が始まった。メンバー23人中、初の五輪が11人。2022年北京大会後に一気に世代交代した新生スマイルジャパンの選手は、歴史を塗り替える覚悟を胸に刻む。
新型コロナウイルス禍で行われた北京大会後の隔離期間中。日本のエースとして長く活躍し、同大会が現役の集大成だった久保英恵さんがベテラン勢に呼び掛けた。「この中から誰か代表に残ってほしい。歴史をつないでいく選手が必要」。多くの主力がスティックを置く決断をする中、この言葉に胸を打たれたのがDF小池詩織(32)=道路建設=だった。
自身も燃え尽きた感情があり、現役を続けるかどうか「迷子だった」が、「これは私の役目」と続行を決意した。22年夏の合宿で代表復帰すると、飯塚祐司監督に呼び出された。「キャプテンをやらないか?」。思いがけない打診に「うそでしょ」と驚いた。
北京まで3大会連続で主将を務めた大沢ちほさんは、強いリーダーシップでチームをまとめて引っ張っていた。自身は「いじられ」ながら雰囲気を盛り上げるタイプ。「私でいいのかな」。数日考えた末に引き受けた。
当初は若手とベテランの世代ごとに集団が分かれ、うまくコミュニケーションを取れなかった。チームづくりに悩んだ小池は大沢さんに相談。「私のやり方を求め過ぎず、詩織が思う方法でやった方がいい。4年間かけてチームをつくっていったらいいよ」。前主将の言葉に心が救われた。
はやりの「性格診断」を全員で受けるなど、交流を深めて壁を取り払った。チーム内で複数の係をつくり、個々に役割を与えると若手にも代表の自覚と責任が芽生えた。昨年2月の五輪最終予選はベテランと若手が融合。3戦全勝で4大会連続の五輪切符をつかんだ。
北京五輪で初めて1次リーグを突破し、準々決勝でフィンランドに敗れた。今回のチームスローガンは「全てをここで。越えろ、限界」。4大会連続出場で代表の集大成となる小池は「後悔しないように自分たちのプレーを全て出し切る。全員で過去の壁を乗り越えて、その先の景色を見たい」。世代を超え、全員の心は一つだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕壮行会でアレックス・ラミレス氏(後列左から3人目)とともにポーズを取るアイスホッケー女子日本代表の選手=1月19日、東京都港区
〔写真説明〕調整するアイスホッケー女子の小池詩織(中央)=3日、ミラノ郊外
2026年02月06日 22時36分